【自分でできる】肩こり解消マッサージの5つのポイント
肩こりの自己流ツボ押しと揉み返し
肩こりの患者様に、「痛い所を押すと気持ちいいんだけど、押しすぎたら翌日痛くなっちゃった」とおっしゃる方が多くいます。これには以下の2つ原因が考えられます。
①押しすぎて筋繊維が傷ついた
②ほぐし方のバランスが悪かった
この2点により、翌日に辛い揉み返しの症状が出てきます。
それでは素人が下手に身体を触ってはいけないのか?と怖がることはありません。コツを抑えてバランス良くセルフマッサージをすると、自分の手で効果的に肩こりをほぐすことができます。
今回は、肩こりの時に自分で肩をほぐす時のポイントをまとめてみました。これで自己流ツボ押しをしても、翌日痛くなることはなくなります!
揉み返し=筋繊維の傷
自己流ツボ押しの翌日の痛みは、強くグリグリと長時間押すと出やすくなります。筋肉は筋繊維の束でできています。筋繊維はとても繊細なので強くグリグリと動かしてしまうと、傷ついてしまって、炎症や内出血の原因になります。これが翌日の痛みの正体です。
したがって
①強く押す時は指を動かさない(静止押圧)
②グリグリする時は優しく押す(フリクションマッサージ)
この2点の使い分けが大事です。
静止押圧は、筋肉の奥深くのコリを狙うように行い、それに対してフリクションマッサージは、皮膚層と筋肉の境目の癒着を剥がすイメージをして行うと、力の加減を判断しやすくなります。働きかける場所が深いか浅いかの違いなので、どちらの手法を使うかは好みで選んで下さい。
ケアのルーツ「手当て」
肩こりでつらいところに手が伸びてしまうのは、人間の自然な反応です。凝っているところからは、痛い・辛い・重いという信号が脳に送られています。そこを手で触れることによって、触れられた・温かいなどの刺激が加わるので、相対的に脳に伝わる痛い・辛い・重いという信号が弱まり、脳に「楽になった」と感じさせることができます(ゲートコントロール)。これが「手当て」の原点です。
ですから、セルフマッサージの揉み返しが怖い人は、辛い場所を優しく触れるにとどめるのも一つの手です。
バランス良くほぐす
肩こりの時に「痛い・重い・辛い」と感じるのは、肩周囲だけですが、実は気付かないうちに他の部分も凝り固まっています。例えば、猫背の人は胸の筋肉が縮こまってしまい、背中が丸まってしまうので、肩が凝ってきます。この場合、肩や背中の筋肉ばかりほぐしてしまうと、かえって胸の筋肉が縮む力が強くなって、余計に猫背がきつくなってしまいます。ですから、バランス良く胸の筋肉もほぐす必要があるのです。
つまり、肩こりの時には1カ所だけでなく、周りの関係ある部分もほぐすと、身体のバランスが良くなり、痛みにくい・疲れにくい身体に自分で整えていくことができるということです。
でも、痛くもかゆくもなければ、関係のある場所がどこだが分かりませんよね?そこで、肩こりの人が知らないうちに凝っている場所を5つご紹介します。
①胸の筋肉(大胸筋・小胸筋・鎖骨下筋)~他症状:猫背・呼吸が浅い・肩甲骨周りがほぐれない~
PC仕事や炊事洗濯など、私達の生活は、胸の前に腕を伸ばして作業をすることが多いです。
この時に腕を胸の前に引っ張っているのが胸の筋肉です。ですから、肩こりの人の多くが、知らないうちに胸の筋肉が縮んだまま伸びなくなり、猫背になっています。肩こり解消には、この胸の筋肉のコリをほぐすことが1つのポイントです。
肩こりで猫背が気になる人は、画像のように、鎖骨の下から指を立てて、丁寧に押してみましょう。痛気持ち良いポイントがあるはずです。
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『クリニカルマッサージ』より❜
②二の腕の筋肉(上腕二頭筋・上腕三頭筋)~他症状:首のこり・寝違え・肩甲骨の内側のコリ~
二の腕の筋肉は意外と凝りやすい部分の一つです。力仕事の人だけでなく、家事やパソコン仕事などで、微量の力が常に入って動きを調整しているだけでも凝ってきます。二の腕の筋肉は肩甲骨から始まっているため、凝ってくると肩甲骨を引っ張ります。この力に負けないように引っ張り返す力が入るのが、肩甲骨の内側の筋肉です(菱形筋)。背中の真ん中が痛くなりやすい人や痺れやすい人は、この筋肉が伸ばされ過ぎてヘトヘトになっているサインです。
ですから、肩甲骨の内側が痛んだり痺れたりしやすい人は、二の腕をほぐすと楽になることがあります。
画像のように力こぶや裏側を指でつまんで、痛気持ち良いくらいの力で引っ張ってみて下さい。
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『クリニカルマッサージ』より❜
③わきの筋肉(肩甲下筋・前鋸筋)~他症状:猫背・胸のコリ・呼吸が浅い~
わきの下からわき腹も猫背が気になる肩こりの人には重要な筋肉です。
わきの下の筋肉は、胸の筋肉と同様に、腕を胸の前に引っ張る作用があります。パソコン仕事や家事をしていと、知らないうちに凝り固まっています。水かきの部分を掴んで、痛気持ち良いくらいの力で引っ張ってみて下さい。触っていない首周りが楽になってくる感じがあれば、猫背が真っ直ぐになってきている証拠です。
また、この部分には腰から伸びてきている筋肉もあります。(広背筋)腰周りをほぐしてもなかなか改善しない腰痛が、実はわきの下のコリをほぐすことで楽になるケースもあります。ぜひ試してみて下さい。
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『クリニカルマッサージ』より❜
更にわき腹の筋肉は肋骨をつないでいます。パソコン仕事など、猫背で作業をしている時には、この筋肉が縮んで、アコーディオンのように肋骨の胸側を狭めています。したがって、猫背が伸びない人は、わき腹の筋肉が凝り固まって伸びなくなっているのも一つの原因です。
肩こりで猫背が気になる人は、手をグーに握り、肋骨のゴツゴツと指のゴツゴツが当たるように上下にスライドさせて、わき腹の筋肉をほぐしみましょう。
骨ストレッチ:マグロの中落ちストレッチ
『誰でも速く走れる骨ストレッチ』では「マグロの中落ちストレッチ」と紹介されています。この本の場合は、同じ側の腕で肋骨を少し痛いと感じるくらいの力加減でゴリゴリとゆっくりこするように勧めています。20~30回が目安になります。普段なかなか意識することのない前鋸筋を直接刺激することで、体側の可動域が広がり、肩甲骨や横隔膜の動きも良くなります。
④首の前側(斜角筋・胸鎖乳突筋)~他症状:頭痛・目の奥の痛み・耳鳴り・めまい~
首肩が辛くなった時、後ろ側をマッサージする人はいますが、あまり注目されない前側の筋肉をほぐすことも、身体のバランスを考えると重要です。特にパソコン仕事や家事などの作業中に、背骨より頭が前に出てしまうと、この首の前側の筋肉が凝ってきます。肩こりと一緒に、側頭部や後頭部の頭痛・目の奥の痛み・歯の痛み・耳鳴り・めまいなどが出やすい人は、この部分をほぐすことが重要です。
画像のように、首を傾けると出てくるスジを掴んで、イタ気持ち良いくらいの力で引っ張って下さい。
側頭部の頭痛の人は、これで楽になるケースもあります。
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『クリニカルマッサージ』より❜
⑤頭の筋肉(側頭筋・後頭筋・帽状腱膜)~他症状:頭痛・頭重・首コリ・まぶたがピクピクする~
頭や顔も薄い筋肉や筋膜で覆われています。これらの筋肉の主な働きは、眼や口を動かしたり表情を作ることです。首や肩の筋肉は頭蓋骨に付着しているので、頭や顔の筋肉は首や肩のコリの影響をとても受けやすい部分です。ですから、肩こりの人で、頭痛の出やすい人や顔のむくみやすい人は頭をマッサージすることも重要です。指の腹で、頭を押してイタ気持ち部分を適度にマッサージしましょう。
とても薄い筋肉なのでやり過ぎは禁物です。
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『クリニカルマッサージ』より❜
シャンプーの時に洗髪ブラシを使うと、手軽に頭をほぐすことができます。洗髪ブラシを2つ用意して両手で持って二刀流で洗うのがオススメです。「頭痛薬を飲まないでも平気になった」「髪の毛が元気になった」など、肩こり解消だけでなく、たくさんの効果を見込めます。
顔や頭のむくみも取れやすくなるので小顔効果もあります。
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「シリコンシャンプーブラシ」(下村企画)❜
まとめ~【自分でできる】肩こり解消マッサージの5つのポイント
肩が凝った時にセルフマッサージをする時は、筋繊維が傷つかないようにすることが揉み返しが起こらないようにするコツです。その際には、強く押す場合はグリグリしないで静止した押圧を行い、グリグリしたい時は筋繊維を傷つけないように優しくフリクションマッサージをするように使い分けることが、翌日に痛くならないコツです。
また、肩こりの時に辛いのは肩だけのことが多いですが、気付かないうちに凝ってしまっている関連部分もほぐすと、身体のバランスが整って姿勢が良くなり、痛みにくい・疲れにくい身体になります。ですから、肩だけでなく胸・腕・わき・首の前側・頭も一緒にほぐしましょう。
肩こりが辛い時には、是非、これらを気を付けてセルフマッサージをしてみて下さいね。
骨ストレッチ:ソレダメ!~寒波に負けない!家族で温まるソレマル大集合SP!~
今回、一部で参考にした骨ストレッチについて、2018年2月7日㈬放送の『ソレダメ!~寒波に負けない!家族で温まるソレマル大集合SP!~』(テレビ東京)で言及があるようです。松村卓先生の骨ストレッチは、身体の使い方についてとても不思議な体験ができます。番組内容に「肩こり・腰痛・ダイエットにも効果的「骨ストレッチ」」とあるので、ぜひ参考にしたいですね!
参考文献~【自分でできる】肩こり解消マッサージの5つのポイント
・『クリニカルマッサージ』著:James H. Clay / David M. Pounds 監・訳:大谷素明(医道の日本社)
・『誰でも速く走れる骨ストレッチ』松村卓(講談社)
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